指導方針

身体は、一つの
ユニットとして動く。

肩が張るからといって、肩だけを見る。
腰が気になるからといって、腰だけを見る。

そうではなく、背骨、骨盤、肩、手足がどのようにつながって動いているのかを確認します。

そのうえで、次の流れを繰り返します。

  1. 01動き方を変える
  2. 02身体の感覚を確かめる
  3. 03もう一度動いて比較する

身体の変化をトレーナーだけが判断するのではなく、
本人にも感じてもらうことを大切にしています。

セッションから持ち帰るもの

「何をするか」だけでなく、
「どう判断するか」を
持ち帰る。

「このストレッチを○秒」「この筋肉をほぐす」。
そうした方法が役立つこともあります。

ただ、自分の身体の状態は毎日同じではありません。だからセッションでは、

  • この感覚なら続ける
  • ここで詰まりを感じたら動きを変える
  • 今日はこの範囲までにする

といった、自分の身体を基準に調整する方法まで一緒に考えます。

もっと詳しく知りたい方へ

指導の背景にある、
身体の見方。

ここからは、背骨を起点に全身を見る理由と、
身体のつながりについての補足です。

01 / 身体全体を見る背骨を起点に、全身のつながりを捉える。

私たちの身体は、一つひとつの筋肉や関節が独立して動いているわけではありません。

背骨、骨盤、肩、手足。それぞれの動きが互いに影響し合い、一つの動作を生み出しています。

背骨を一つの入り口として、身体全体がどのように協調して動くかを観察します。

特定の姿勢や理論を押し付けるのではなく、実際の動きと、ご本人が感じる変化を確かめながら、一人ひとりに合った動かし方を探します。

身体各部の相互関係背骨、肩、骨盤、手、足を方向のない線でつないだ概念図。特定の関節運動や動作を示すものではありません。背骨肩肩手手足足骨盤つながりの中で、動きを捉える。
身体各部の相互関係を表す概念図です。
関節の運動方向や特定の動作を示すものではありません。

背骨だけを動かすことが目的ではありません。

背骨の曲げ伸ばしや回旋に着目しながら、肩や骨盤、手足がどのように連動しているかを観察します。身体全体の協調を捉えるための、一つの入り口です。

関節同士のつながりを見る。

一つの関節の位置や動き方によって、別の関節の動きやすさが変わることがあります。身体全体の動きの組み合わせを観察し、動作を妨げている可能性のある条件を探します。

同じ動作で、変化を確かめる。

身体の位置や動かし方を変え、同じ動作をもう一度行います。変化があれば一緒に確認し、変化がなければ別の方法を探します。

日常で使える力へつなげる。

その場の体験で終わらず、自分で動きを再現する練習をします。身体を知ることを、日常生活やスポーツなど、やりたい活動につなげていきます。

02 / 脊椎動物としてのつながり私たちヒトも、脊椎動物。

魚類からヒトまで、脊椎動物には背骨を持つという共通点があります。暮らす環境や動き方は異なっても、身体のつながりを考える手がかりになります。

私たちの指導では、背骨を一つの入り口として、身体全体がどのように協調して動くかを見ていきます。

魚類、両生類、爬虫類、霊長類、ヒトのシルエット。背骨を持つ生き物の多様性を表す図。
魚類両生類爬虫類哺乳類〈霊長類・ヒト〉

身体は、一つのユニットとして動く。

進化から考える、背骨と手足のつながり

私たちは普段、腕を上げる、歩く、しゃがむといった動作を何気なく行っています。

しかし、その動きは一つの関節や筋肉だけで生み出されているわけではありません。

脳や脊髄からの神経指令、筋肉の活動、関節の動き、そして身体に加わる重力や地面からの力。それらが互いに影響し合うことで、一つの動作が成立しています。

この全身の協調を理解するために、私は脊椎動物の進化に着目しています。

運動制御の原点をたどる

脊椎動物の運動制御には、約5億年にわたる進化の中で受け継がれてきた基本的な仕組みがあります。

例えば、四肢を持たないヤツメウナギは、身体の左右の筋肉を交互に活動させ、その活動を頭側から尾側へ伝えることで、水中を泳ぎます。

この運動には、脊髄に存在する神経回路が重要な役割を果たしています。

やがて脊椎動物は多様化し、ひれを使う魚類、四肢で身体を支える両生類や爬虫類、そして鳥類や哺乳類など、それぞれ異なる環境に適応した運動様式を発達させてきました。

移動の方法は大きく変化しましたが、神経回路が筋活動のタイミングを組織し、感覚情報を取り入れながら動きを調整するという基本原理には、進化的な共通性が認められます。

つまり、身体の各部を協調させる仕組みは、人間だけに特有のものではないのです。

背骨と手足の役割は、進化とともに変化した

水中を泳ぐ多くの魚類では、体幹や尾部の運動が推進力を生み出す重要な役割を担っています。

一方、陸上の四肢動物では、手足が身体を支え、地面に力を伝える役割を発達させてきました。

それに伴い、脊柱を動かす筋肉の役割も変化しています。

身体を動かすだけでなく、姿勢を保ち、重力に対応し、呼吸や四肢の運動に協調することが求められるようになりました。

人間の歩行においても、手足の動きと体幹の運動は独立しているわけではありません。

足が地面に接地すると、その力は下肢から骨盤や体幹へ伝わります。同時に、体幹の姿勢や運動も四肢の働きに影響を与えます。

身体は、各部位が個別に働く部品の集合ではなく、互いに影響し合いながら運動する一つのシステムなのです。

なぜ、背骨から身体を捉えるのか

背骨は頭部と骨盤をつなぎ、胸郭や四肢の運動とも密接に関係しています。

そのため、私は背骨の動きを、全身の協調を理解するための重要な手掛かりとして考えています。

例えば、腕を上げる動作には肩関節だけでなく、肩甲骨や胸郭、脊柱の運動も関わります。

しゃがむ動作にも、足関節や股関節だけでなく、骨盤や脊柱の動き、身体の重心を調節する働きが関係します。

もちろん、すべての動作や不調の原因が背骨にあるわけではありません。

大切なのは、どこか一つの部位を原因と決めつけるのではなく、身体の各部がどのような関係で動いているのかを観察することです。

背骨を起点に全身のつながりを捉えることは、身体全体の運動を理解するための一つのアプローチです。

動ける身体とは、動きと支えを調整できる身体

身体には、関節を動かす能力と、必要な場面で姿勢や関節を支える能力の両方が求められます。

そして、その働き方は動作や環境によって変化します。

大きく動くことが必要な場面もあれば、動きを抑えて安定させることが必要な場面もあります。

私は、特定の姿勢や動作を一律に正解とするのではなく、その人が目的に応じて身体の動かし方を選択できることを大切にしています。

そのために、まず現在の動きを一緒に確認し、背骨と手足のつながりを体験しながら、必要な動きや支える働きを学んでいきます。

身体の主導権を、自分自身に。

進化の歴史が教えてくれるのは、運動の形が変わっても、身体の各部を協調させ、環境に適応することが大切だということです。

私は、この視点を人間の身体の理解にも生かしたいと考えています。

単に身体をほぐすことでも、決められたフォームを再現することでもなく、自分の身体がどのように動いているのかを知り、自分で調整する方法を身につけること。

それが、私の目指すパーソナルトレーニングです。

動ける喜びを、自分の力に。

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